カヌレとは

カヌレとはフランス語で「溝のついた」という意味を持つフランス菓子です。
フランス南西部のボルドー地方発祥と言われており、正式名称はカヌレ・ド・ボルドー(cannelé de Bordeaux)。

銅製のカヌレ型を使い、高温で長時間かけて焼き上げるため、見た目は黒っぽい焦げ茶色をしています。
生地を注ぐ型の内側には蜜蝋を塗るという珍しい焼き方をするお菓子であり、
その独特の製法から生み出される食感は外はカリッと、中はしっとりモチモチしています。
味としては、カスタードのような風味にカヌレの特徴的な素材であるラム酒とバニラの香りが豊かな焼き菓子です。

カヌレ

 

カヌレの歴史

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ボルドー地方はワインの名産地です。
そんなワインの長期熟成において、樽の中の澱を取り除く工程では卵白が使用されます。
そこで余った卵黄を用いて作られたものが、カヌレの原型と言われています。

そんなカヌレは17世紀ごろにボルドー女子修道院で作られていたと言われていますが、
フランス革命でレシピが焼失されたとの説もあり、歴史の詳細は不明です。
レシピが失われたとされる後もカヌレは一部のパティスリーで細々と作られ続け、
今ではフランス菓子としての地位を確立しています。

フランスでは、伝統的なカヌレの製法を守るための同業組合も設立され、
そのレシピで作られたカヌレのみが正式な「cannelé de Bordeaux」を名乗ることを許されているそうです。

※カヌレの歴史については諸説があり、上記はあくまで一説です。